「壊れて動かなくなった家電」は、多くの人にとってただのゴミです。でも、その中身を分解してパーツ単位で見ると、まだ生きている部品がたくさん眠っています。壊れた家電のパーツ転売は、ジャンク品を安く(あるいはタダで)仕入れ、使えるパーツを取り出して一つずつ売っていく副業です。
最大の特徴は「修理スキルがいらない」こと。直して動かす必要はなく、分解して使える部品を見分け、清掃して出品するだけ。プラモデルやレゴが好きだった人、機械の中身を見るのが好きな人に向いています。
ただし、誰でもラクに大金が稼げるわけではありません。1パーツあたりの単価は数百円〜数千円が中心で、コツコツ積み上げる地道な作業です。仕入れには古物商許可が必要になる場面もあります。この記事では、メリットだけでなく注意点も含めて正直に解説します。
この副業の概要
| 初期費用 | 数千円〜(精密ドライバー・梱包資材程度。仕入れ費は別) |
| 必要スキル | 分解する手先の器用さ・パーツの良し悪しを見分ける目(修理スキルは不要) |
| 月収目安 | 月1〜5万円(副業ペース)/本格化で月10万円前後 |
| 難易度 | 中(分解と相場リサーチに慣れが必要) |
| 在宅可否 | 在宅で完結可能(仕入れの外出はあり) |
| 必要な許可 | 仕入れて転売する場合は古物商許可が必要になる(後述) |
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
|
・機械を分解するのが好き ・コツコツ作業を続けられる ・調べもの・相場リサーチが苦にならない ・少額でも確実に積み上げたい |
・短期間で大きく稼ぎたい ・細かい作業や清掃が苦手 ・出品・梱包・発送の手間を面倒に感じる ・在庫を保管する場所がない |
なぜ「壊れた家電のパーツ」が売れるのか
家電が壊れる原因の多くは、特定の一部品の故障です。電源が入らないテレビでも、液晶パネル・基板・スタンド・リモコン・ケーブルなどは無事なことが多い。これらを必要としている人がいます。
- 修理する人:同じ機種が壊れて、交換用の部品を探している
- 古い機種の利用者:もう生産終了したモデルの純正パーツを探している
- DIY・改造する人:ジャンクから部品取りをして自作・改造に使う
リユース市場は拡大を続けています。リユース経済新聞の推計によると、2024年のリユース市場規模は前年比4.5%増の3兆2,628億円で、2009年以降15年連続の拡大。2030年には4兆円規模に達すると予測されています(出典:リユース経済新聞)。中古家具・家電だけでも2,775億円の市場があり、「使えるものを安く手に入れたい」という需要は底堅いといえます。
ポイント:「丸ごと」より「バラして」のほうが高く売れることがある
ジャンク品を1台500円で仕入れても、中のパーツを5〜10個に分けて売れば合計で数千円になることがあります。これがパーツ転売の基本的な利益構造です。ただし全パーツが売れるわけではなく、売れ残りも出ます。
収入の目安
パーツ単価は数百円〜数千円が中心です。1台のジャンクから取れる利益のイメージは以下の通りです(あくまで一例で、機種や状態によって大きく変動します)。
| 作業ペース | 月の処理台数 | 月収目安 |
|---|---|---|
| お試し(週末だけ) | 3〜5台 | 数千円〜2万円 |
| 副業ペース | 10〜20台 | 月1〜5万円 |
| 本格化 | 30台以上 | 月10万円前後 |
注意したいのは、売上がそのまま利益にはならない点です。仕入れ費・販売手数料(メルカリは販売価格の10%)・送料・梱包資材費が差し引かれます。さらに「パーツが売れるまでの保管時間」もかかります。時給に換算すると最初は決して高くありません。分解と相場感に慣れるほど効率が上がる、典型的な「慣れで伸びる」副業です。
始め方の5ステップ
| STEP 1 | ジャンク家電を仕入れる まずは自宅の壊れた家電や、フリマアプリのジャンク品から。仕入れて転売するなら古物商許可を取得(後述)。 |
| STEP 2 | 分解して使えるパーツを取り出す 精密ドライバーで分解し、基板・パネル・モーター・ケーブル・ネジ類などを仕分け。無理に壊さず丁寧に外す。 |
| STEP 3 | 動作確認・清掃する 通電や動作を確認できるパーツは確認し、ホコリ・汚れを清掃。状態を正直に記載できるようにしておく。 |
| STEP 4 | 相場を調べて出品する 同じパーツの「売れた価格(SOLD)」を検索し、相場に合わせて価格設定。型番・状態・動作有無を明記して写真を撮る。 |
| STEP 5 | 梱包して発送する 小型パーツは緩衝材でしっかり保護。基板は静電気対策も意識。発送後に評価が貯まると売れやすくなる。 |
ジャンク品の仕入れ先
最初は仕入れ費ゼロで始められます。自宅に眠る壊れた家電から試し、慣れてきたら仕入れ先を広げていきましょう。
- 自宅の不用品:まずはここから。リスクゼロで分解の練習になる
- フリマアプリのジャンク品:「ジャンク」「部品取り」で検索すると安く出ている
- リサイクルショップ・ハードオフ等:ジャンクコーナーで現物を確認して仕入れ
- 家電量販店の回収・知人からの譲り受け:タダ同然で手に入ることも
フリマアプリは「仕入れ」と「販売」の両方に使えます。中でもメルカリはジャンク品・部品取り品の出品も購入も活発で、パーツ転売の起点として最も使いやすいプラットフォームです。
メルカリ
国内最大級のフリマアプリ。ジャンク品の仕入れにも、取り出したパーツの販売にも使えます。まずは自宅の不用品やジャンク家電の出品から始めて、出品・梱包・発送の流れに慣れるのが第一歩。売れた価格(SOLD)を検索すれば相場リサーチもそのままできます。
必要な道具
| 道具 | 価格目安 | 用途 |
|---|---|---|
| 精密ドライバー・分解工具セット | 1,500〜4,000円 | 小型家電の分解。特殊ネジ対応ビットがあると便利 |
| 撮影ブース(簡易フォトボックス) | 2,000〜4,000円 | パーツをきれいに撮影。写真の質が売れ行きに直結 |
| 梱包資材(小型ダンボール・緩衝材) | 数百円〜 | 小型パーツの保護・発送 |
| パーツ仕分けケース | 数百円〜 | ネジ・小型パーツの整理・保管 |
精密ドライバー・分解工具セット
パーツ転売を始めるなら最初に揃えたいのが分解工具。家電には星形・三角・Y字などの特殊ネジが使われていることが多く、普通のドライバーでは外せません。多数のビットがセットになった精密ドライバーキットなら、スマホ・ゲーム機・小型家電まで幅広く分解できます。こじ開け用のヘラやピンセットが付いたモデルが便利です。
撮影ブース(簡易フォトボックス)
パーツ転売では「写真の質」が売れ行きを大きく左右します。背景がごちゃごちゃした写真より、白背景で明るく撮られたパーツのほうが状態が伝わり、購入されやすくなります。LEDライト付きの簡易フォトボックスを置くだけで、スマホ撮影でも商品写真の見栄えが一気に上がります。小型パーツが中心のパーツ転売と相性のよい道具です。
パーツの取引が増えてくると、地味に効いてくるのが梱包資材のコストと手間です。小型ダンボールや緩衝材を業務用価格でまとめ買いしておくと、1件あたりの利益を圧迫せずに済みます。
ダンボールワン
梱包資材のオンライン通販。ダンボール・テープ・緩衝材が業務用価格で揃います。パーツ転売は1件あたりの単価が低いぶん、梱包資材を安く仕入れられるかどうかが利益率に直結します。小型パーツに合うサイズの箱や、基板を守る緩衝材をまとめて確保しておくと発送がスムーズです。
古物商許可について(重要)
自分の不用品を売るだけなら許可は不要です。しかし、「転売する目的で他人から中古品(ジャンク家電を含む)を仕入れる」場合は、原則として古物商許可が必要です。仕入れたジャンクを分解してパーツとして売る行為は、これに該当する可能性が高いといえます。
古物商許可のポイント
申請先は営業所を管轄する警察署(生活安全課)。手数料は19,000円程度で、許可までおおむね40日前後かかります。無許可営業には罰則(3年以下の懲役または100万円以下の罰金)が定められています。本格的に仕入れて売るなら、早めに取得しておきましょう。詳しい要件は警察庁・各都道府県警の案内で必ず確認してください。
この副業の強みと注意点
| 強み | 注意点 |
|---|---|
|
・修理スキルがいらない ・初期費用が安い(数千円〜) ・仕入れゼロ(自宅の不用品)で始められる ・1台を複数パーツに分けて利益化できる ・在宅で完結しやすい |
・1パーツの単価が低く、地道な作業 ・売れ残るパーツも出る(在庫リスク) ・仕入れ転売は古物商許可が必要 ・分解時のケガ・通電作業に注意 ・廃棄パーツの処分ルールを守る必要がある |
よくある質問
電気の知識がまったくなくても始められますか?
分解して見える部品(パネル・スタンド・ケーブル・ネジ・外装パーツなど)を売るだけなら、専門知識がなくても始められます。ただし基板や通電が必要なパーツを「動作確認済み」として売る場合は、最低限の確認方法を覚える必要があります。最初は確認不要な外装・機構パーツから始めるのがおすすめです。
どんな家電のパーツが売れやすいですか?
純正部品が手に入りにくい「生産終了した機種」「人気ゲーム機」「特定メーカーの家電」などは需要が安定しています。逆に汎用品で新品が安く買えるパーツは売れにくい傾向。出品前に必ず「売れた価格(SOLD)」を検索して、需要があるかを確認しましょう。
分解した残りカス(売れない部品)はどう処分しますか?
家電由来の基板やプラスチック、金属くずは自治体ごとに処分ルールが異なります。小型家電リサイクル法の対象品目もあるため、お住まいの自治体の案内に従って正しく処分してください。安易に不法投棄すると罰則の対象になります。
感電やケガが心配です
テレビ・電子レンジなど高電圧部品(コンデンサ等)を含む家電は、知識のないまま分解すると感電の危険があります。最初はリスクの低い小型家電・周辺機器から始め、高電圧部品を含む家電は無理に扱わないのが安全です。作業時は手袋・保護メガネの着用をおすすめします。
どれくらいで利益が出ますか?
分解と相場リサーチに慣れるまでは時給換算で低くなりがちです。最初の数か月は「練習期間」と割り切り、自宅の不用品で経験を積むのが現実的。慣れて処理スピードと目利きが上がると、効率は着実に改善していきます。
副業を始める前に知ってほしいこと
「1日5分で月50万円」「スマホをタップするだけで日給3万円」——こうした誇大広告で高額な情報商材やオンラインサロンを売りつける悪質な業者が後を絶ちません。消費者庁や国民生活センターも繰り返し注意喚起を行っています。当サイトでは、こうした非現実的な謳い文句を一切使わず、現実的な収入や必要な努力を正直に掲載するよう努めています。
不安を感じたら、以下の公的窓口に相談してください(相談無料)。
- 消費者庁 — 財産にかかわる危険(副業・投資詐欺の注意喚起一覧)
- 国民生活センター — 情報商材に関する相談事例
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※この記事の情報は2026年5月時点のものです。最新の制度・手数料・許可要件は各公式サイトでご確認ください。
参考資料・出典
- リユース経済新聞「リユース業界の市場規模推計2025(2024年版)」— リユース市場規模3兆2,628億円・前年比4.5%増・2030年4兆円予測
- リユース経済新聞「中古家具・中古家電売上ランキング2024」— 中古家具・家電のリユース市場規模
- 警察庁「古物営業法の解説・古物商許可申請」— 古物商許可の要件・手数料・罰則


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